第1章 私のこころの行方
『さぁ、つい、話し込んでしまいました。
早速、お支度をしましょう。
本日は、朝餉の後謙信様は、まずは城下町をご案内したいと伺っておりますので、
こちらのお着物をお召しください。』
と、差し出された着物は、淡い緑色と、黄色を使った生地に白い花が幾重にも重ねて描かれた可愛らしい着物であった。
こういう色味の着物は、自分では選ばないけど、素敵だなぁ、、、と、まじまじと見ていたが、紫乃に急かされ
着替えを終え、今日は髪を下ろして下の方で結ぶ形の髪型にされていた。
普段の下ろし髪とはまた違って少し心が弾んでいた。
支度を終えた茉莉花は、紫乃に案内され皆が待つ広間に着いた。