第1章 私のこころの行方
『いえ、、、
とても、心強いです。
本当は、勝手もわからない場所で心許なかったのです。
そこまで、言っていただけるのなら、是非これから、此方でお世話になっている間、よろしくお願いします。
ところで、お名前をまだ伺っておりませんでした、、、。』
『あ、大変失礼致しました。
私、女中頭の紫乃(しの)と申します。
歳は、茉莉花様のお母様とそう変わらないと思いますので、ご遠慮なさらずに何でもお言いつけ下さい。』
『ありがとうございます。紫乃さん。
こちらこそ、わがままが過ぎるかもしれませんので、その時は叱って下さい。
よろしくお願いいたします。』
と、深々と頭を下げた。
それをみた紫乃は、あまりの驚きに一瞬身動きできなかったが、弾かれる様に
『いけません、茉莉花様‼️
お顔をお上げください。
私は、あくまでも女中でございます。
下の者にこんなに頭をお下げになってはなりません。
謙信様にも、叱られてしまいます。』