第1章 私のこころの行方
『はい。
申し訳ありません謙信様。
今からのお時間は、私が謙信様のお酒にお付き合いいたしますので、機嫌を直していただけますか❓』
茉莉花の最後の言葉に謙信が怒り出すのではないかと、景家と家臣達は、ヒヤヒヤしたが、その心配は無駄に終わった。
待ってましたとばかりに謙信は
『仕方ない。
今日はお前も疲れて居るだろうから、程々にしてやろう。
だが、明日は覚悟しておけ。』
と、口端を上げてうっすらと笑った。
その顔は、とても美しいもので、茉莉花は心なしか顔がうっすらと赤くなったようだった。
その様子を景家が、見逃すはずはなかった。
心の中で、このまま、謙信様が、お心を決められれば、、、茉莉花様を御正室に、、、そんな事を考えていた。