第3章 愛運の結びまで
そして、暫く皆で近い祝言の段取りを話し合いながら、お開きとなった。
そして、母親が部屋を出る間際に下座に美しく座して、一つ深々と頭を下げた。
そして、、、
『信長様とご正室様におかれましては、この度のご懐妊、誠におめでとうございます。
心から、お祝いを申し上げ致します。
差し出がましく申し訳ございませぬが、この波多野千鶴にさせていただける事がもし、御座いましたら何なりと、、、
些細な事でも構いませぬので、何卒、何卒お申し付け下さいます様、お願い申し上げます。』
『、、、頭を上げるのだ、、、。
その様にかしこまる事は無い、其方はこの信長の子の祖母となるのだから、、、
しいては、この信長の義母なのだ、、、』
『その様な、、、畏れ多い事でございます。
しかしながら、誠にありがとうございます。
身に余る光栄にございます。』
『茉莉花も初めてのこと故、母御の気遣いが欲しい事も有るだろう。
その時には、直ぐにこちらに来てもらいたい。
なぁ、、茉莉花、、、、、、。
其れで良いか?』
『はい、、、。
有難うございます信長様。
しかし、、母上、、、。
其れはあまりにもご迷惑をお掛けしてしまうのでは、、、?』
『いいえ、、、。
何の迷惑になりましょうか、、、。
逆に嬉しくて仕方ないのです。』
『そうですか、、、。
其れでは、よろしくお願いします。』
『ええ、、、ええ、、、、。
必ず、直ぐに駆けつけます。
本日は、誠にありがとうございました。
それでは、これにて失礼致します。』