第3章 愛運の結びまで
無言で、茉莉花の手を強く握り母が頷く。
次に顔を上げた時には、母の眼から一筋涙が流れた。
『、、あ、、、ありがとうございます。
母上、、、、。』
『おめで、、、と、、う。、、、茉莉花。
本当に、、、。
、、、、、、、、、、、。
ち、、、父上は、、、、、卒倒、して、、ました、、よ、、。
こんな、、に、、、目出度い、、、事は、、、ない、、と、、、言いながら、、、。』
『、、、ふふふっ、、、。』
と、泣きながら笑って話す母を、茉莉花も泣き笑いで話を聞いている。
その二人の姿を見ている、懐から手ぬぐいを出し、そっと目元を抑え、秀吉も感極まって涙を流している、、、。
その光景を、上座の信長は優しく見つめながら心が暖かく、誰にも気付かれないように此れが幸福なのだとしみじみと噛み締めていたのだ。