第3章 愛運の結びまで
『はい。
茉莉花の懐妊の件を話したところ、波多野家では、祝言の前だろうが構わないと、、、。
構わないどころか、そんな思いをさせてしまって茉莉花に申し訳ないと、、、、。
謝っておりました。
そうして信長様の御子を身篭った事を、涙を流しながら喜んでおりました。』
『、、、、そうか、、、。』
『はい、、、。』
『、、、、それで、、、、、、。
何かまだ、言いたそうだな、、、。』
『はっ。
実は、茉莉花の母親が祝言の前に一度茉莉花に逢いたいと、、、申しておりまして、、、。』
『、、、、そうか、、。
構わぬ。
茉莉花を行かせるわけにはいかない。
此処へ呼べば良かろう。
母親の顔を見れば、茉莉花も喜ぶだろう。』
『御意。
では、明日の朝に文で伝え、籠を用意し、迎えに向かわせます。』
『茉莉花の為故、それがよいな。』
『はっ。
では、遅くに失礼いたしました。
お休み下さい。』