第3章 愛運の結びまで
そう言い、衝立を周りから見えないように動かし、その陰に座り直した。
それを見届けた家康は、天守に向かって歩き出した。
その頃、天守では信長が茉莉花の診察がいつ終わってもいいようにと、秀吉の入れた茶を飲みながら、待っていた。
診察前にあの様な不安気な顔をしていた茉莉花が気がかりだったのだ。
そして、秀吉はと言えば、、、
信長よりも落ち着かない様子で、立ったり座ったり、お茶の入った茶碗をひっくり返しそうになったり、溜息までもついている。
そんな様子を見ていた信長は
『秀吉、、、
お前がこんなに落ち着かないのは茉莉花が心配だからなのか?』
『も、、もちろんでございます!!
お屋形様との祝言を控え、茉莉花の身体に何処か異常があっては、、、これは大事にございます。』
『彼奴は、どこも悪くはない。
何時も側にいる俺が言うのだから、、、
間違いない。』
『し、、しかし、、、、。
顔色もすぐれない様で、、、』
『貴様は心配のし過ぎだ。
世話焼きも程々にしておけ、、、!!』