第1章 私のこころの行方
その頃茉莉花は、
山ほどある着物の中から、どれを着ようか考えていたが、ふと目に留まった薄い青と紫の色使いの生地で銀糸を贅沢に使った、大柄な百合が描かれた着物を見つけた。
『うゎぁーー
綺麗、、、。
これ、すごく素敵。
着てもいいのかなぁ、、』
と、心の中で
《これが着たい‼️‼️》
と思わず、姿見の前でその着物を肩に羽織った時、信玄が
『姫!入るよ。』
と言って、スッと襖を開けて入ってきた。
突然開かれた襖から入ってきた信玄に驚いたと共にその瞬間、美しい着物を前に、子供のようにはしゃいでいた茉莉花は気恥ずかしくなり俯いてしまった。
ところが信玄は、悪びれもせず、
『ああ、、、すまない。
夕餉の前に顔を見ておきたかったから来たんだが、、、、
ん、、、❓
この着物は、、、
素敵だな、、、。
これはとても君に似合うと思うよ、茉莉花。
この着物を来た君が見てみたいよきっと謙信も喜ぶと思うよ。
女中を呼んでこよう。
少し待っていなさい。
俺はそのまま、夕餉の部屋に向かうからね美しい君が見れるのを楽しみにしてるよ。』
『、、、、、はい。』
そう返事をするのが精一杯だった。