第1章 私のこころの行方
『いえ、、、
あまりの豪華さに驚いてしまって、、、
こんな高価な品々、私には分不相応でございます。
どうしたらいいのでしょう、、、。』
そう囁く茉莉花の困った様子を景家も困ったように見つめていた。
景家は、心の中で、なんと、殊勝な、、、
どちらの姫なのか謙信様からは伺っていないが、、、
いや!
これは、一刻も早く詳しく伺わなくてはならない。
『こちらは、謙信様が茉莉花様のためにと、揃えられたものになります。
謙信様の気持ちでございますので、そのような事を仰らずに、全てご自由にお使いください。
まずは、本日の夕餉には、こちらの中から
お好きなお着物をお召しください。』
と、隣の部屋の襖を開ける。と
そこには所狭しと着物や帯、装飾品などが並べられている。
その上、、、
『必要であれば、茉莉花様付きの女中として数名を連れてまいりますので、、、』
と、言われ
『いえ、そんなことまでは、、、
お気持ちだけありがたくいただきますので、、、。
それでは、お部屋お借りいたしますね。』