第1章 私のこころの行方
『翌日、謙信様の城、春日山城に向かって私たちは出立しました』
謙信、その横に蒼に乗った茉莉花
茉莉花の後ろには、信玄。
信玄の横には景家と四人は、他愛もない話をしたり途中茶屋で休息を取りながら、早駆けなどの無理はせず、謙信は茉莉花を気遣って適度な速度で、道中並走しながら楽しく春日山城に向かい、茉莉花にとっては見る景色も食べるものも全てが目新しく、コロコロと表情を変えて、何にでも興味を持つ茉莉花が面白いのか、終始ご機嫌な様子であった。
そうして、春日山城に着き、茉莉花のために用意された部屋に案内されると、あまりの豪華さに、立ちすくみ、部屋に入るのが躊躇われたほどの物がずらりと並んでいた。
茉莉花とて、今まで生活するのに不自由をしたことなどなかったし、友人達の中でも家柄も生活水準も上級であったが、そんな茉莉花ですら一歩引いてしまうほどの品物がズラリと並んでいたのである。
そんな様子を見た、景家は、不思議そうに
『何か不足なものがございますか❓
それとも、茉莉花様のお気に召さないものがございましたか❓』