第2章 運命の歯車 《信長様編》
『信長様。
我が茉莉花娘は、私達夫婦とは血は繋がって居りませぬ。
この子が幼い頃、本能寺で迷い子であったのを養子といたしました。
血は繋がっておらずとも、実の親子の様に、、、、
いえ、それ以上に愛情を注いで暮らしてまいりました。
どこに出しても恥ずかしくない様に育てて参りましたつもりでございますが、、、、、、、
なにぶん、不慣れなところもございます故、この先の娘の人生、信長様の深い愛情の元、何卒お願い申し上げます。』
そして、再び頭を下げて、肩を震わせて嬉し涙を流している母を見て、茉莉花も、両親と別れる寂しさと信長と共に生きていくことを両親に認めてもらえた嬉しさで、涙を流した。
『母上。
ありがとうございます。』
『茉莉花、、、、。
貴様の母は偉大だな。』
『はい。』
『とても、血の繋がりがないとは思えぬ程に、貴様の事を溢れる程の愛情で育ててきたのだな。』
そして、茉莉花の母に向かいハッキリと
『これから先、何があっても、そなたらの大切な娘である、茉莉花を手放すことはない。
先ほども言うたはずだが、この信長にとっても唯一無二の存在である以上、側室も妾も取らぬ。
俺には、茉莉花がいれば良い。
安心しておれ。』