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Dearest【降谷零夢】

第8章 狙われた彼女


なら何故、彼女が当主ではないのか?
そんな疑問がコナンと小五郎の顔にありありと出ていた。

「彼女を次期当主と認めたくなかったんですよ、“彼等”は。」
「彼等?」
「……分家ですね?」
「そう。透の言うとおり……分家の連中は何がなんでも愛を当主としてだけでなく、この家の人間として認めたくなかった。だから俺を養子に迎えてまで当主にさせたんだ。」
「幸紀さん養子だったの?」
「あぁ。先代のじい様が祐一郎さんの養子にしたんだ。」
「それで幸紀さん、貴方が当主になったと。」
「……本当は当主なんて柄じゃないんですけどね。」

苦笑混じりに言えば、隣の安室も同じ顔をする。
コナンと小五郎は最も気になっている事を聞こうとした。

「それで、あの脅迫状の言葉の意味を教えて貰えますかな?」
「……アレは……あの子を示した表現でしょう。」
「……愛さん?」
「生まれつき特殊な能力がありまして、それが異端と思われてるんですよ。」
「この脅迫状は分家が自作自演したと考えられますね。」

脅迫状を手に持ち、冷めた目で見つめる安室。
幸紀は幸紀で苦い顔をした。

「この前までは、分家の息が掛かった男を愛の見合い相手として連れて来たから断ったのが仇になったか?」
「は?」

幸紀の言葉に安室は素の声を出し、思わず持っていた脅迫状を握り潰す。

「あ、安室さん……脅迫状……」
「え?あぁ……つい。」
「(つい。で握り潰すなよ。)」
「とりあえず、安室はソレを置いて落ち着け。」
「……すみません。」
「話を戻すけど、どうして愛さんにお見合いの話が来るの?この家の実権が欲しいなら幸紀さんに来るんじゃ……」
「コナン君、実権なんて言葉よく知ってるね。」
「あはは……テレビとかで見たんだよ。」
「……さっきも話したけど、俺は養子なんだよ。もし俺に何かあった場合、次の当主は必然的に愛になる。」

チラリと安室を見てから幸紀は続けた。

「そうじゃなくても、この家から離して飼い殺しにするつもりだろうね。」
「っ!」

安室自身も予想していた事だが、それはあまりにも酷い。
まるで道具だ。

「……透、傷に響く。あまり力込めるな。」
「……幸紀、彼女はその事を知ってるのかい?」

頷く幸紀に安室は固く拳を握り締めた。
愛への想いが強くさせた
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