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Invisible world【グレンラガン】

第1章 1部



この一年間を、私は絶対に忘れないと思う。

一年間。私自身は息をしているだけの日々。
それはきっと少しずつ死に向かって行っていたのかもしれない。
カミナの居る世界に少しずつ。
(私は…この世界から居なくなりたかったのか)
全てを儚んで、向こうの世界へ。
行く先には、本当はカミナは居ないって知っているのに。




テッペリン跡地、デカブツの足元。
カミナシティの中央に位置する公園が遂に完成した。

完成したその夜。設計や造園、整備に携わった人々でささやかにお祝いをした。
…だがささやかという予定だったが、シモンが巨大なブタモグラを差し入れたり、リーロンがダヤッカと連名で次々に酒の差し入れを並べたり、キタンが妹達を連れて賑やかしに来たりと、皆が集まりどんどん規模が大きい宴になってしまった。

珍しい事に、ロシウがギミーとダリーに手を引かれ困った顔をしてこちらに来る。最近はずっと難しい顔をしていたけれどギミーとダリーに引っ張られて微笑みながら座る。
通水したばかりの噴水に飛び込むジョーガンとそれを追うバリンボー。キッドはゾーシィと酒の呑み比べをしているし、アイラックはその場に居た整備部の女性を口説いている。
レイテは生まれたばかりの赤ん坊を抱っこしているし、ほんの少し酒の入ったマッケンはそれを見て相好を崩していた。
テツカンとアーテンボローの姿も見える。最近とみに食欲を増したテツカンが食べ物を次々平らげ、アーテンはそれを見て賑やかにからかっていた。
キタンは何故かダヤッカに食ってかかっている。困ったように頭を掻くダヤッカと、その間に割り込むキヨウ。キノンとキヤルはそれを見てけらけらと笑っていた。
シモンとニアは並んで宴を眺めていた。よく見てみると皆から見えないように隠していたが手が重なっている。シモンの性格上、からかったりされるのが恥ずかしいのだろうと思った。

願ってやまなかった平和がそこにあった。

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