第1章 女中
【23時】
色々と雑務をこなしていると、
土方さんから頼まれていた
“伊東”さんと言う隊士さんのお部屋の支度が
遅くなってしまった。
「急がないと。」
隊士さんの、
夜のオヤツタイムまでには仕上げたい。
「まずは、掃き掃除をして...」
西側の空き部屋に入ると、
ふと“視線”を感じる。
(ん?)
私は、今さっき入ってきた部屋の入り口を見る。
.....
「...?」
別に誰も居ない。
(気のせい...?)
気を取り直して、
掃き掃除を始めると...
<おー、お前も手伝いに来たのか!
「ん(・_・)?」
部屋から少し離れた場所から、
原田さんの声が聞こえてきた。
<いや..その...厠へ行こうかと....
そして、
さっき寝所で写真が落ちていると教えてくれた
隊士さんの声が聞こえてきた。
(さっきの....)
私の心臓が“ドキンッ”と高鳴った。