第1章 女中
ほんの数ヶ月前まで、
私は“大人のマッサージ屋さん”で働いていた。
肌の向こうが透けて見えそうな、
...そう、男性の気持ちを奮い立たせるような
格好をして..
“普通の全身マッサージ”を施していた。
格好は確かにイヤらしかったかもしれないけど、
別に変な事をしていたわけではないのだから、
胸を張れば良いのだけど...
でもお店がお店だったから、
風俗の分類に入るので
なかなか胸を張って言える事ではないし。
事実...偏見があったするし...
「はぁ....」
親に捨てられた私には、
仕事を選択する余裕なんてなくて、
寮があって高給の所を選択するしかなかった...
「どんな仕事だって立派なんだから...
ハァハァ...こんな事で動揺しちゃ...
ハァハァ...ハァハァ...」
考えれば考えるほど...苦しくなってきた..
これは一過性のものではなく...
マッサージの仕事をしていた時、
“あるお客様”に襲われてしまった事が原因で
発病してしまった“過呼吸”だ。
(く、苦しい...💦
だ、誰か助けて...!!)