第3章 好みの女性…?
「あ、そうだ。言い忘れてました」
執務室にいく道すがら。
鬼灯様はくるっと後ろの私を振り向いた。
「今日は午後、少し桃源郷へ行ってきます」
「あれ、仙桃の報告書なら今朝郵送で届きましたよ」
「それは知ってます。そうではなく、注文しておいた金丹ができたみたいなので取りに。折角なのでシロさんたちもつれていってきます。留守の間よろしくお願いします」
「えー、私も鬼灯様とお出かけしたいです!」
ズルイずるい!と講義すると鬼灯様がため息をついた。
「貴女この前あのアホに一杯喰わされたばかりでしょう。しばらくおとなしくしていなさい」
「…ちぇ」
ふーんだ。いいなぁシロくん達。
動物だと鬼灯様に優しくしてもらえるもん…
あぁ、猫になって鬼灯様に撫でられた時の感覚が忘れられない…。
「…そうですね。まぁ柳川さんにも見る権利ありますしね」
「??見る権利?」
「あぁ、いえ、なんでもありません。頑張って私がいない間にあの山になってる書類片付けるって約束できるなら、いいこと教えてあげます」
「いいこと?」
「いいことです」ニヤリ
おおう。
なんか鬼灯様が少しいい笑顔してるような気がする!
「どうです?終わらせるって約束できますか?」
「はい!大好きな鬼灯様に誓います!!」ビシッ
右手で敬礼のポーズ。
ご褒美貰えるならいつもの100倍頑張れます!
「よろしい。私が出て行ってからうさぎ漢方につくころ、針山の麓を見ているといいですよ。面白いものが見れます」
「針山?あそこ動くものもあんまないし、つまんなくないですか?」
「まぁあとは時間になってからのお楽しみですよ」
スタスタと長いコンパスで歩きを進める鬼灯様。
なーんか釈然としないけど、まぁいっか。