第10章 燭台切光忠
燭台切「主、今日は柏餅を作ってみたんだ」
燭台切はあれから毎日、墓参りを欠かさない。
新たな審神者が就任してからも、燭台切は彼女の事を忘れた事は一度も無かった。
声を掛けても、返ってくる事は無い。
燭台切「主。僕もね、ずっと主に言いたかった事があったんだ」
静かで、穏やかな沈黙が流れる。
風がそよぎ、木々が揺れる。
燭台切「主の初期刀として顕現出来た事、僕は凄く嬉しかった。ずっとね、君が好きだったんだ…」
すると、風が吹き抜け菖蒲の花が縦に揺れた。
まるで、彼女が頷いているかの様に…。