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審神者が死んだ日

第3章 鶴丸国永





長谷部「主は死んだんだ!もう、もう…目を覚ましてはくれないん…」


鶴丸「そんな事、お前に言われなくても分かってる!!だが…例え息をしなくとも、声が聞けなくとも…主は此処に居るんだっ」



そう叫ぶ様に言うと長谷部の手を振り払い、彼女の体を抱き締める。
その姿は今まで誰も見た事の無い、苦し気に足掻いているかの様な鶴丸の姿だった。

主を何度も変えてきた鶴丸が、感情を得て初めて愛し恋し…そしてかけがえのない存在となった彼女。
その彼女の死を理解しても、受け入れられない。



鶴丸「俺も一緒に連れて行ってくれ…君と一緒に居れるなら、何処だって構わない」



長谷部や燭台切には見せぬ様に、彼女を胸に抱いて大粒の涙を零す。
しかし、愛したからこそ気付いてしまう事もあった。



鶴丸「分かってるさ…そんなの間違ってる、そう言いたいんだろう?俺には生きていろ、そう…君は言うんだろ…?」



鶴丸の肩が小刻みに震える、その姿を見て燭台切と長谷部は目を背けた。
鶴丸は冷たくなり、固く閉じられた彼女の唇に口付けを落とす。



鶴丸「…なら、待っていてくれ。天命も使命を全うし、君に見合う男になって…きっと君に逢いに行くから」



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