第2章 想い
ちゃんを家まで送ると、俺は再びオアシスに戻った。
途中、携帯が鳴ったので見てみる。
《太輔くん(*´∇`*)
今日は誘ってくれてありがとう(≧∇≦)
すっごく楽しかったよヾ(*´∀`*)ノキャッキャ
また誘ってね((o(´∀`)o))
》
凄く楽しかったんだろう。
いつもよりも顔文字がたくさんあるメールがちゃんから送られてきた。
カランカラン
拓哉「おかえり藤ヶ谷(笑)」
太輔「木村さん(笑)」
俺がもどって来るのがやっぱりわかっていたようで、木村さんは笑顔で俺を迎えてくれると、店の扉に"Close"の看板をつけた。
席に座りちゃんへ返信した。
《俺も楽しかったよd=(´▽`)=b
あんなメンバーだけど、良かったら仲良くしてあげてね(^_-)-☆
太輔》
俺がメールを送り終わると、木村さんはドリンクを出してくれた。
赤いドリンクを………
俺はそれを受け取ると、一気に飲み干した。
太輔「ふぅー………」
しばらく静かな時間が流れた。
太輔「木村さん………」
拓哉「ん?」
木村さんは俺が話し出すのを待っていた。
太輔「俺ってやっぱりヴァンパイアなんですね………これを飲むと体中の力が湧き上がってくる気がします。悔しいけど、やっぱり俺はヴァンパイアだって思い知らされる………」
俯く俺の頭を、木村さんは優しく撫でた。
拓哉「藤ヶ谷………俺は人間だろうとヴァンパイアだろうと、誰かを好きになる気持ちに変わりはないと思うんだよ」
俺は頷くことしかできなかった。
拓哉「ちゃんに藤ヶ谷の正体知られるの嫌?」
太輔「嫌というか………怖いんです。本当の俺を知ったら、ちゃんは俺から離れてしまうかもしれない………それが怖いんです」
そう………本当の俺を知られるよりも、ちゃんがいなくなる方が怖かった。
俺はそれ程ちゃんを好きになっていた。