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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第4章 【救国の忠騎士】エンディング


そこへ、ジークフリートが玉座の間へと現れた。
「国王陛下、遅れて申し訳ありません。準備に手間取ってしまって」
「よいよい。そなたこそ、真の忠騎士だ。多少の遅刻くらいがなんだ!」
「言葉を返すようで恐縮ですが、真の忠騎士なれば、約束や時間の類は守らねば…。若い頃、よくヨゼフ王に注意されたものです。……ランスロットと共に」
罰が悪そうに言うジークフリートに、カール王は笑い声を上げる。
「ワシ自身がこれでは、確かにいかんな。反省しよう。それで…白竜騎士団の団長に就任する件は前向きに考えてくれたか?」
それをきき、サフィアはきゅっと口を引き締めた。白竜騎士団の現団長はランスロットだ。ジークフリートが団長に就けば、自然的にランスロットは団長を降りる事になる。最も、ランスロット自身も思うところがあるようなので、サフィアが口出しできることではない。
「その件ですが…やはり辞退させていただきたく」
「もう濡れ衣も晴れたのに、か?」
静かに問いかけるランスロットに、ジークフリートは静かに頷いた。
「王都に騒ぎを引き起こしたのは、紛れも無い俺の責任だ」
「だがそれは…この国の為に仕方なかったんだろう」
「そんな事は関係ない。事実、騎士団の皆にも怪我を負わせてしまった。それに、俺がこの国に残っているだけで、復興の際に問題も多かろう」
「そんなこと!」
「しかし!」
サフィアとランスロットの声が重なった。ジークフリートは構わず言葉を続ける。
「そもそも、俺が団長に戻ったとして、現団長であるお前は、本当にそれでいいのか?やすやすと団長の座を俺に譲り渡す程度の覚悟で、騎士団を率いていたのか?」
「…!」
ジークフリートの言葉に、ランスロットはハッと目をみはった。
「…そんなワケはない。英雄と呼ばれたあんたを超え、国をより良くするために尽力してきた」
「そうだ。お前は、俺がいなくなった後も、一人で立派に団長の責務を務め上げた。フェードラッヘに、英雄は一人でいい…。俺は、もうしばらく旅を続けてみる」
「ジークフリートさん…」
サフィアが名を呼ぶと、彼はわずかに淡く微笑んだ。
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