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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第28章 【ビストロ・フェードラッヘ】ビストロ再建計画、始動


続いてパーシヴァルチームの前菜紹介に入る。
「俺達が作る前菜は、〝パーシヴァルが母君から教わったパテ・ド・カンパーニュ〟という品だ」
キッシュもそうだが、パテ・ド・カンパーニュも自由度が高く、作り手の違いが出る料理である。それをどんな風に作るのか、妙にわくわくした気持ちが浮かんでいた。
「今回我々は、ドラッヘンボアの上質な肉を使っている」
「んなっ…!あの獰猛なドラッヘンボアを食材に使うとは、とんだ命知らずがいたものですね」
そのとんだ命知らずはジャックの目の前にいる男である。
パーシヴァルもまたヴェイン同様、説明をしながら調理を開始する。一種類の肉でも様々な部位を使えば味が混ざり合い、肉の旨味が倍増する。できあがったパテ・ド・カンパーニュは、まるでキラキラ輝いているように見えた。
グラン達が試食している様を、サフィアはじっと見つめる。その視線を感じ取ったグランが、はい、とフォークを差し出した。
「一口どうぞ?」
「えっ、いいの!?ありがとう!」
そのままパクリとフォークの先の肉を口に入れるサフィア。え、と周りの視線が彼女に集中する。空気の変化を感じ取ったサフィアは、はっとして慌てて声を上げた。
「ごっ、ごめんなさい、つい。行儀悪かったわね」
「ううん、僕もついそのまま差し出しちゃっから」
お皿ごと渡せばよかったのにね。そう笑うグランにサフィアも苦笑を返したのだった。







結果として、両者の甲乙つけ難く引き分けとなった。それぞれのチームが健闘した結果、キッシュとパテの二種類の前菜が新たなコースメニューに加わるのだった。
「俺…良いこと思いついたんだけど!」
不意にランスロットが声を上げ、皆の視線が彼に集中する。
「どうしたんだ?ランちゃん」
「せっかく美味しい前菜が完成したんだからさ、外のお客さんに試食で配ろうぜ!」
「ふむ…この店を知ってもらういいきっかけになるな」
「賛成!」
ランスロットの提案に満場一致し、一同はキッシュとパテを少しずつ切り分け、外を行き交うイベント参加客に配布した。この日突然行われた試食会は多くのお客に楽しまれて、大好評に終わったのだった。
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