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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第1章 【救国の忠騎士】王都防衛戦


此処は星晶獣シルフと共に生きる国、フェードラッヘ。白龍騎士団医療室のドアがノックされ、医療騎士サフィアが顔を上げてドアの方を向いた。
「どうぞー」
声を掛けるとドアノブを回す音が立ち、扉が開かれる。そこには幼馴染で白竜騎士団団長のランスロットがいた。
「ランスロット!ファフニール討伐に出たって聞いたけど…」
彼に駆け寄り、サフィアはその顔を見る。
「あぁ。ファフニールを倒し、無事にシルフ様をお助けする事ができた」
「そう…良かった。怪我はしてない?」
ほっと胸を撫で下ろし、目をきょろきょろと動かして外傷の確認をする。
「俺は大丈夫だ。だが数名傷を負っている者がいるから診てやってくれないか」
「了解しました、団長」
答えるとランスロットは、後を頼むと言って医療室を後にした。
「…」
その背を、その彼が出て行ったドアを、サフィアはしばし見つめる。そして連れられた騎士に問いかけた。
「何かあったの?ランスロット、浮かない顔をしていたようだけど…」
「…実は…シルフ様を救出して帰還中に……ジークフリートが現れて…」
「……あの人、が…」
ジークフリートの名を聞いてサフィアに動揺がはしる。ジークフリート…それはかつて《竜殺し》と呼ばれた英雄で、《王殺し》の罪人の名である。彼は事もあろうに執政官いざ部らを狙って来たとの事だった。一難去ってまた一難。彼がまた襲ってきた時には、迎え撃つしか、無いのだろう。




「…ところで、あなた達は?」
騎士達の治療を終えたサフィアは、入口付近に立ち尽くしたままの見慣れぬ少年達に顔を向けた。やっとかよぉ、と赤い謎の生物が溜息をつく。まぁまぁと言った顔でなだめ、先頭にいた少年が踏み出した。
「俺はグランっていいます。騎空士です」
「騎空士?どうしてまた騎空士が」
「それがよぉ、偶然森でヴェインに逢ってから、成り行きでファフニール討伐隊に加わる事になったんだ」
答えたのは赤い生物。彼に目を瞬かせながら、サフィアは「ふぅん」と声を漏らした。それから彼がビィ、水色の髪の少女ルリア、巡礼中のゼエン教僧侶ソフィアを紹介される。
「私はサフィア。白竜騎士団の医療騎士よ。この国の事に巻き込んでごめんなさいね。皆、ありがとう」
サフィアの微笑みに応えるように、彼らは屈託の無い笑顔でうなずいたのだった。
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