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白鷲と白鳥沢【ハイキュー】

第15章 潜入、白鳥沢学園2日目〜黒鷲捜し開始!〜


「つ、工……!?」

何故工が3年生の廊下にいるのか。そう疑問に思ってから、工の様子がおかしい事に気付いた。額には汗が滲んでいて、息が激しく乱れ肩が上下に揺れている。まるで、全力疾走した後のような感じだ。
何故そんな風になっているのか。その事にも疑問を持った瞬間だった。

「どこに行ってたんだ!!」
「っ!?」

厳しい顔をした工に怒鳴られたのは。
……工にそんな顔を向けられたのも、怒鳴られたのも初めて。それに軽くショックを受け、呆然と工を見上げながらも口を開く。

「た、鍛治さんから2、3年生にプリントを届けるよう頼まれまして、それで…伝えようとしましたけど、工は寝てまして…。だから、置き手紙を置いといたのですが……」
「え……」
「ストップだ。2人共」
「「!?」」

しどろもどろな私の言葉に工が虚をつかれたように驚いた時、獅音さんが私達の間に割って入って止めに入ってきた。その際肩を掴んでいた工の手が離れ、痛みが遠のいていく。……そこで初めて、痛みが伴うほど強く掴まれていたのだと気付いた。
痛みを感じなくなるくらい、私は自分で思っていたより工に怒鳴られた事が応えたようだった。

「まずは、落ち着いてから話し合った方がいい」
「……でも残念ながら、もう話し合う時間はないみたいだよ」

キーンコーンカーンコーン。

覚さんが珍しく静かな声で言ったのを合図に、鳴り響くチャイム。それは昼休みが終了した証拠で、覚さんの言う通り話し合う時間が今の時点でない事を示していた。
その事実に、獅音さんは軽くため息を吐いた。

「……俺達は放課後になるまで見てやれないが、なるべく休み時間を使ってちゃんと話し合っておくんだぞ」
「……はい」
「…………」

獅音さんは私達を交互に見た後、頭を撫でながら優しく言ってくれた。その言葉に私は力なく返事をしたけど、工からは聞こえてくる事はなかった。

気まずいながらも、チラリと気付かれないように工を見る。でも彼は俯いていて、どんな表情をしているのか分からなかった。
……分からなかったけど、拳が白くなるくらい強く手を握り締めているのは分かった。
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