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白鷲と白鳥沢【ハイキュー】

第11章 潜入、白鳥沢学園1日目〜初めての感覚〜


「あっ、牛島さん、おかえりなさい」
「ん?…白鷲か。ただいま」

鍛治さんから頼まれたスポーツドリンクを作り終え体育館に帰ってくると、ちょうど牛島さんがロードワークから帰って来たところだった。その姿を見て、スポーツドリンクとタオルを持って駆け寄り手渡すけど、牛島さんは見つめるだけで中々受け取ってくれない。

「あ、あの……牛島さん?」
「……ああ、すまない。ありがとう」
「いえ、大丈夫です」

やっと受け取ってくれた牛島さんは、大量に出ている汗をタオルで拭き始める。その姿を見ながら、先程どうしてすぐ受け取ってくれなかったのか気になるけど、聞いてもいいのか分からず逡巡してしまう。そしたら、そんな私の様子に気付いたのか、汗を拭き終わった牛島さんが「どうした」と聞いてきてくれた。

「え、えっと……どうしてさっきはすぐ受け取ってくれなかったのですか?」

これ幸いと勇気を出して聞いてみると、牛島さんは目をパチクリとした後口を開いた。

「……ああ、いつもは自分で取りに行っていたからな。なのに、行かずとも白鷲が持って来てくれたから、それが新鮮で思わずな」
「え!?」
「?何故焦る」
「め、迷惑じゃなかったですか?」
「いや、迷惑じゃない。礼を言う」

牛島さんはいつも通りの無表情で言い切ると、今度はスポーツドリンクを飲み始めた。……よかった。余計な事をしてしまったかなと焦ったけど、そうではなかったみたいだ。
ホッと安堵の息を吐いて、そういえばと思い辺りを見回す。牛島さんが帰って来たという事は、工も帰って来ているのではないか。でも、工の姿は見当たらない。

「どうした」
「あ、つ……五色くんは」
「五色ならまだ走っているだろう」
「そ、そうですか……」

という事は、今回も工は牛島さんに負けてしまったのか。やはり工を応援しているから、その事実に落ち込む。

(……て、私が落ち込んでどうする!)

落ち込んでからすぐ思い直し、ブンブンと慌てて首を横に振る。今まで工は負けても諦めずに牛島さんに挑戦し続けていた。そしてこれからもそれは変わらないだろう。

(頑張って下さい工!私は応援し続けます!)

グッと拳を握り締め、ガッツポーズをしていた私は気付かなかった。

「?」

牛島さんが無表情ながらも、不思議そうに私を見ていた事に。
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