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白鷲と白鳥沢【ハイキュー】

第10章 潜入、白鳥沢学園1日目〜バレー部と顔合わせ〜


「白鷲!一緒に体育館行こう!」

すべての授業が終わり、帰りのHRも終了した後、工が鞄に教科書を入れながら私を誘ってきた。

「えっと、ごめんなさい。今日は鍛治さんと一緒に行く事になっているのです」

まさか今日だけで2回も誘いを断らなくてはいけなくなるとは。仕方ないとはいえ、やっぱり断る時のこの罪悪感は何とも言えない。
そんな私の気持ちなど露知らず、工は「そっか、分かった」と軽く答えると、鞄とエナメルバッグを持って席を立った。

「じゃあ明日から一緒に行こうな!」

そして笑顔でそう言い残すと、猛ダッシュで教室を飛び出して行った。その時起こったであろう風圧が顔にあたり、どれだけ勢いよく行ったのかよく分かる。

(本当にバレーが好きなんだなぁ)

もう知っていた事だけど、先程の姿を見て改めて思う。私は工が出て行った扉を見ながら、自然と顔が綻んでいくのが分かった。

「…と、私も早く行かなきゃ」

いつまでも笑っている場合ではない。ふと我に返り、急いで教科書などを鞄に入れて席を立つ。鍛治さんとは職員室前で待ち合わせをしているから、早く行かなくては。
まだ教室に残っていた鶴岡さん達に挨拶をしてから、私は教室を出て職員室に向かった。



「鍛治さん!すみません、お待たせしました!」

職員室までの道中、黒鷲の気配がしないかそれとなく探ってみたけど見つからなかった。その事に落胆しながら職員室に着いたら、もう鍛治さんが立って待っていて、慌てて駆け寄りながら謝ると鍛治さんは首を横に振った。

「平気だ。俺もさっき職員室を出たところだからな。それじゃあ行くか」
「はい!」

鍛治さんと横に並んで、体育館を目指して歩き出す。すると、数歩も行かずに鍛治さんが歩きながら話しかけてきた。

「どうだ、学園には馴染めそうか?」
「…はい。工やクラスの人達のおかげで、今日1日楽しく過ごす事が出来ました」
「そうか」

私の答えを聞くと、鍛治さんは安心したように小さく笑った。その表情を見て気にかけていてくれていたのが分かり、私は頭を下げた。
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