第9章 潜入、白鳥沢学園1日目〜昼休み〜
小話
「つとむ、珍しく若利くんと張り合うために学食来ないからどうしたのかなぁと思ってたら、女の子と食べてるなんて!」
「バっ!天童声が大きい……!気付かれたらどうすんだ……!」
「な〜に〜?英太くん、最初は乗り気じゃなかったのにネ〜」
「しょ、しょうがないだろ。工のあんな姿を見たら、気になるに決まってるだろ」
1年4組の扉の陰からこっそり五色の様子を見守っているのは、天童と瀬見。いつもは牛島と食べる量や速さを競いに学食に来る五色が珍しく来ず、どうしたのかと心配した瀬見と、これは何か面白い事があるなと思った天童が1年4組を訪れていた。
最初は面白半分で見に行く天童を呆れたように見ていた瀬見だったが、今では天童と同じ気持ちで五色と、一緒に昼ご飯を食べている女の子を見つめていた。
「それにしても、女の子の顔が見れないね」
「ああ。ちょうど俺達に背を向ける形で工を見てるからな」
「く〜っ!気になるのに〜!」
「そうだな……って、おい!工の奴、何か照れたように笑ってるぞ!」
「ホントだ!なになに?何の話をしてるの〜!」
「おいっ!それ以上身を乗り出すな……!気付かれる……!」
五色達の様子を見るのに夢中になっていた天童と瀬見は気付かなかった。後ろを通りがかった1年生達に、まるで変質者を見るような目で見られていた事に。