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白鷲と白鳥沢【ハイキュー】

第5章 工以外の人間


若野には人通りの少ない場所がある。そこより更に奥へと進むと、大きな木に囲まれてひっそりと建っている神社があり、ここが私の住処である。

「あれ?真白随分早く帰って来たな。もうあの『つとむ』って奴のストーカー行為はいいのか?」
「げっ」

あれから特急で飛び、神社へと帰還した私はだいぶ運がないらしい。さあ大婆さまはどこかなと辺りを見回していたら、狐の妖怪『茶尾』が話しかけてきた。

「げってなんだよ!げって!お前失礼だぞ!」
「ごめんなさい。つい」

小さく呟いた筈が、どうやら茶尾には聞こえていたようだ。プンスコと怒った顔でこちらを睨みつけてきた。それに対して少し軽い気持ちで謝ると、彼は気分を良くしたのかすっかりご機嫌になった。

(相変わらずのチョロさだ……)

そのチョロさ加減に、逆にこちらが心配になってくる。

茶尾は私の友達。他の妖怪達が敬う中、茶尾だけが普通に接してくれる唯一の存在で友達だ。彼のお調子者みたいな雰囲気はたまにうるさく感じる時があるけど、確実に救われた事があるのも事実。だから憎むに憎めないのが本音だ。

「それより今、工のストーカーって言いましたね。あれはストーカーじゃなくて見守ってるのです!」
「どこがだよ。毎朝毎朝起こしてそのまま行動を観察するなんて、ストーカー行為以外の何物でもない気がするけどね」
「むむむ……違います!」

今度は私が怒る方になってしまった。どうして茶尾と話すといつも喧嘩になってしまうんだろう。これだけ喧嘩していれば絶交しそうだけど、そんな事は全然ないから不思議だ。

「て、こんな事してる場合じゃないのです!茶尾、大婆さまを見ませんでしたか?」
「こんな事って……はあ。大婆さまなら奥の社の中にいるぞ。何だ?何か用事か?」
「はい、少し。ありがとうございます茶尾!教えてくれて!行ってきます!」
「おう!」

大婆さまの居場所を教えてくれた茶尾にお礼を言ってから翼を広げ、奥の社に向かって飛び出した。





「………あ、そういえば今社には近づくなって言われてたんだった。ごめん、真白」


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