第19章 潜入、白鳥沢学園3日目〜真夜中の食堂〜
「……っ!?」
ゾワリとした感覚に目が覚め、私は勢いよくベッドから飛び起きる。そして荒い息を吐き出しながら、鳥肌が立っている腕をさすった。
(何だったの…?今の……?)
何かは分からないけど、何かよくないものが迫ってきていた様な、そんな感覚がしたのだ。嫌な夢でも見てしまったのだろうか。……内容はよく覚えていないけど。
そう思いながら荒い息を整えて、カーテンが閉まっている窓を見る。外からの光が漏れていないところを見ると、まだ夜らしい。今度は時計を見てみると、針は1時を指していた。……どうやら真夜中みたいだ。
(変な時間に起きちゃったな……)
寝直そうにも、先程の嫌な感覚のせいで目が冴えてしまっている。これでは、ベッドに潜って目を閉じたところで寝られそうにない。
「何か温かいものでも飲もうかな……」
そうすれば身体が温まり、眠気が襲ってくるかもしれない。
そう思った私はベッドから降り、何かいいものがあるかなと思いを巡らせながら食堂へと向かった。
「あれ?光が漏れてる……」
食堂に着くとドアが少し開いていて、そこから光が漏れ出していた。それは食堂の電気が点いている証拠で……。
「誰かいるのかな……?」
それともただの消し忘れだろうか。どちらかは分からないけど、ドアを開けて中の様子を見てみると誰もいない事が分かった。
「……どうやら消し忘れみたいだね」
偶然だけど、食堂に来てよかった。用事を済ましたら、電気を消して部屋に戻ろう。
そう思いながら厨房の方に視線を向けた時だった。
「あっ……!」
食事を受け取る場所から厨房の様子が見え、そこにひとりこちらに背を向けて立っている人物に気付いたのは。その後ろ姿はとても見覚えがあるもので、私は受け取り場所に近づきながら立っている人物に声をかけた。
「工、いたのですね。気付きませんでした」
「…………」
「?」
でも、工は返事をするどころかこちらに振り返る事もしなかった。……もしかして、聞こえなかったのだろうか。