第17章 潜入、白鳥沢学園2日目〜天狗のお面〜
(黒鷲……)
確かに、本当にふたりが繋がっているのなら、天孤が工と若利さんの名前を知っている事に辻褄があう。人間の姿になって白鳥沢学園に通っている黒鷲なら、2人の名前を知ってても何らおかしくないからだ。きっと天孤に教えたのだろう。
(それで、黒鷲が天孤に工と若利さんを襲うよう指示した……?)
でもそれだと疑問が残る。何故黒鷲は天孤にそんな指示をしたのかだ。
そんな事をして、何か利益を得る事が出来るのか。それとも、懸念していた人間絶滅を企んでいるのか。それなら何故、最初がその2人だったのか。
…………
「大変です…。頭がこんがらがってきました……」
こんなに頭を使ったのは、工の記憶を消すか消さないか考えた時以来ではないだろうか。
クラクラする頭を思わず押さえると、鍛治さんは申し訳なさそうに眉を下げてこちらを見てきた。
「悪りぃな。俺が変な事言っちまったせいで」
「い、いえ。大丈夫です」
それに、あながち変な事ではないだろう。繋がっている可能性は0ではない筈だ。
「……これは、早急に黒鷲と天孤を見つけなければなりませんね」
最悪片方だけでもいい。早く見つけて、この数々の疑問を聞かなければ。そしたら、色々と解決出来る筈だから。
(そのために、まずはやっぱり捜す時間を増やす事かな……)
今日は休み時間が一番長い昼休みしか捜さなかったけど、明日からは次の授業が移動教室でない限りは休み時間を使って捜した方がいいだろう。
「俺にも何か手伝える事があれば、協力する」
「ありがとうございます、鍛治さん」
(頑張らなくちゃ……!)
自分のために、何より今不自由な思いをさせてしまっている、バレー部のみなさんのためにも。
協力してくれるという鍛治さんにお礼を言い、私は新たに決意を固めるのだった。