第4章 怪しい視線
相変わらず工は『ストレートのスパイク』がキレキレで、『牛島さん』というバレーボール部の『主将』さんに真正面から正々堂々宣戦布告をしていた。その時の周りの『部員』さんの反応は様々で、吹き出す者、またかと呆れる者、微笑ましく見守る者、鋭い眼光で工を睨みつける者など色々だった。
そうして滞りなく朝練の時間は過ぎていき、片付けの時が来た。まだ放課後の練習時間が残っているけど、とりあえずはお疲れ様と心の中で工に労いの言葉を送った。
キーンコーンカーンコーン。
朝練が終われば、次は学生にとっては本業の『授業』が始まる。工のクラスである1年4組が見れる場所まで飛んでいき、今や特等席とかしている木の枝に止まり工を見やる。工は朝に比べてきっちりと制服を着ており、かっこよく決まっている。決まっているけど……。
「こら五色!朝練が大変だったのは分かるが、席に着いた瞬間寝るな!」
「っ、は、はい!」
窓が開いているせいか、ここまで『先生』の怒鳴り声と工の潔い返事が鮮明に聞こえてきた。次いで聞こえる、『クラスメイト』の笑い声。
これには私も思わず苦笑い。先程先生が言ったように、工は席に着いた瞬間机に突っ伏して寝る体勢をとったのだ。これは怒られてもしょうがない。
バレーボールをやっている時の工は最高にかっこいいけど、授業の時はその様子がなりを潜め少し情けない普通の『男子高校生』に戻るのだ。そのギャップ……というのだろうか、とにかくそれが工の魅力なんじゃないかなと最近思うようになってきてしまった。