第4章 小林君の欲情
「小林が遅刻してくるなんて何かあったのか?」
瑞希が軽くタメ息をついて話しかけると、小林は顔を真っ赤にさて動揺し始める。
「_えっ!?い、いえ!何もないですっ!まさかっ高嶋さんを…」
「は?私が何したっていうんだよ?」
「なっ何でもありませんっ!所長!始末書、書くんでこれで失礼しますっ!」
小林の頭の中は沸騰しそうになっていた。
顔から汗が滲(にじ)み出て、目はきょろきょろと忙(せわ)しなく、動揺しきった体はゴミ箱にぶつかり、椅子にぶつかりと目茶苦茶だった。
小林が照れ笑いをしながら待機室から出て行くのを見届けると、吸いかけのタバコに火をつけた大橋は、ふぅと煙を吐いて椅子に座った。