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be taken prisoner

第2章 story Ⅱ


刑務官の仕事は多忙を極める。
出勤すれば拘束され、OLみたいに自由には外出できない。勿論、二時間ほど休憩時間もあるが、一回の休みが三十分と短く、その間に報告や食事、私用を済まさなければならないのだ。もし問題が起これば、休憩を返上して対応する事もある。
そんな忙しい毎日で瑞希は浅見の事を忘れていた。

「今日も忙しいですね。」
瑞希は書類に目を通すのを止め、顔を上げた。そこには、小林(こばやし)亮太(りょうた)刑務官がお茶を持って立っていた。小林は瑞希の後に就任してきた所謂(いわゆる)後輩で、まだあどけなさの残る顔をしている男だった。
小林は瑞希の机にお茶を置くと、笑顔を見せる。

「鷹島さん、どうぞ。」
「ありがとう。」
瑞希は微笑むと、小林は照れ笑いをしながら後頭部をかいた。



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