第17章 噂の白浜くん
冬華は立ち止まって考えた。
(兼一くんが通ってる道場には中国拳法の達人もいるんだ。まさか…いや、あの人は群れるような人じゃない。放浪癖だし、)
冬華は一瞬、数年前に自分から姿を消した馬創月を思い浮かべた。だがありえないとすぐに思い至った。
冬華はあえて兼一に自分も武術を極めていることは言わなかった。今後のことを考え、できるだけ目立つことなく平凡に過ごしたいと思ったからだ。既に手遅れな気もするが、
(夏にも邪魔するなって言われてるしね。噂ってどこから入ってくるかわからないから。)
そして学校を出るべく再び歩き出した