第2章 秘密
家まで後10分という帰り道、ジーンと出会った。
「あ、ジーン!どうだった?」
「うん、楽しかった。けど…、明日からも一緒に帰ろうって言われたけどそれは断った。ゴメンね、清」
「いいよ!謝らなくて!明日からはまた3人で帰ろう」
清はにっこり笑った。
やっぱり清と遊園地行きたかったなとジーンは思った。
それに、まさかナルと清が2人だけで出かけているなんて思っても見なかったから、このやろう。
玄関前で清と手を振って「また明日」と別れる。
「…ナル、今日は2人でどこ行ってたの?外出するなんて言ってなかったじゃん」
「別に」
そう言うとナルはさっさと自分の部屋に入って行った。
怪しい。
だって、ずっとホットライン無視されてたけど、途中から何となく温かいような、ほのかに甘いような感情を感じ取ってた。
こうなったらウザいぐらい、ホットラインをノックしてやる。
(……ジーン、しつこいぞ…)
(清とどこで何してたか、教えてくれるまでやめない)
(どうでもいいだろ)
(よくない!どこで、何してた!?被告人!)
(…そんなに知りたいか、それならーー)
ガチャ。ナルの部屋のドアが開いた。
ナルはため息をつく。
さぁ、さっさと自白しろ。
「……教えない。僕と清の秘密だから」
ナルはいつものようにニヒルに笑う。
(わかったら、もう無理矢理僕の意識に入ってくるなよ)
その瞬間、ホットラインは遮断された。
END