第4章 従兄弟フジ
名前「フジくんっ!」
来た。
名前「待たせてごめんね?」
フジ「全然っ!大丈夫だよ!」
この子は俺ん家の近所に住んでる、
従姉妹の名前ちゃん。
つい最近、高校を卒業したばかりの女の子。
俺たちはこの公園で、他愛もない話をするのがお決まりになっている。
(あぁ、今日も可愛い…)
だが、中学・高校と女子校通いの名前ちゃんは、
俺以外の男とまともに話したことがない(らしい)。
フジ「今日はどんなことがあった?」
名前「う、うんっ、あのね…」
いつも笑顔で、学校での出来事や楽しかったことなどを、熱心に伝えてくれる名前ちゃんだけど、
今日はなんだかためらいを感じる…。
フジ「名前ちゃん…?嫌なことでもあったの?」
名前「んーん!違うの…その…/」
ん?顔…赤くなってる?
え、なになに…可愛すぎるんだけど…。
名前「き、キス…って、どうやってやるのかな…?」
フジ「はぅえっ。」 あ、変な声でた。
フジ「あー…っと、今なんて…」
と聞き返すが、彼女は恥ずかしそうに俯いたままだった。
フジ「どっ、どうしたんだよぉ、名前ちゃん〜!急にそんなこと言って〜笑 誰かに何か言われたの?」
と、動揺を誤魔化すように彼女の肩をぽんと軽く叩く。
名前「ぅ、うん…/ 高校も卒業したし、キス以上の経験もしたいよね…ってお友達が言ってて…」
そういうことか…。友達はキスまでしたことあるけど、名前ちゃんは…。
名前「ねっ、フジくんは、キスしたことある…!?」
興味津々に俺の顔を覗いてくる彼女の目は、
今時こんなに純粋な子がいたのかと思うほど
輝いていて、無邪気で…すごく可愛かった。
(だめ、それ以上見られたら…)
名前「フジくん?」