第18章 赤井side4※
確かに安室くんが赤井と
会っているのだから
夢の中の住人ではないと
薄々気付かれても仕方がないが
俺としては沖矢と赤井が
同一人物だとバレかねないから
そのままで居てほしかったのだ。
「ダメですよ」
『やだ!沖矢さんのケチ!』
彼女は俺の膝の上から
飛び降りてパタパタと
走って行った
どうするべきか…。
彼女の様子を見に行くと
玄関で靴を履いていた。
どこに行くのか声を掛けると
『沖矢さんには教えないもん!』
と、べーっと舌を出されて
扉の向こうへ消えて行く
沖「全く…困ったお嬢さんだ」
1人での外出は避ける様にと
言ったばかりだぞ…
その時、スマホに着信が届く。
ボウヤからだ
変声機のボタンを押し
着信に出る
コ〈もしもし、赤井さん?〉
赤「どうした、ボウヤ」
コ〈名前姉ちゃん、
赤井さんの正体に気付いてない?〉
赤「今はまだ大丈夫だが
ボウヤと似て、勘の良い子だ
気付かれるのも時間の問題かも知れんな
それより、ボウヤ一つ頼まれてくれるか?」
コ〈どうしたの?〉
赤「そのお嬢さんが先程
家を飛び出して行ってな、
探して来てくれないか?」
コ〈わかった!また連絡するね〉
赤「ああ、頼んだぞボウヤ」
通話を切ると深く溜息を吐く
さて、彼女の事は
ボウヤに任せるとして
どう赤井を隠すか…
小一時間ほど、
そればかり考えていたが
特に良い案は思い付かず
ボウヤから彼女を捕獲したとの
連絡が入った
どうやらポアロに行っていたらしい
彼に会いに行っていた事が
気に入らない。
ボウヤが彼女を
俺に預けると直ぐに
帰って行った。
さて、彼と何の話をしたのか
問いたださねばな…
また考え事をしている彼女に
近付き正面から体を持ち上げる
うわっ!と驚く彼女。
何を話していたのか聞けば
降ろせと暴れる。
そんな彼女を落としてしまわない様に
しっかりと捕まえていると
観念したのか口を開いた
喧嘩の理由を聞きに行っていたらしい。
そしてその理由が
ケーキを横取りされたから
怒っていると安室くんが言っていたと。
.