第17章 赤井side3
安室透…
毛利小五郎の助手をしながら
喫茶店ポアロで働いている。
組織ではバーボンという
コードネームを貰っているが
その正体は日本警察である事を
この間ボウヤが証明してくれた
この俺を憎んでいる男。
彼女と彼が
接触していた事が、
彼女が彼の作ったものを
食べたいと言う事が
酷く、気に入らない。
だが、彼女は今子供の姿で
大人の姿の彼女は居ない
これは良い機会かもしれない
沖「では喫茶店ポアロに
お昼を食べに行きましょうか」
『え、いいの!?』
意外な言葉を聞いたかの様に
驚いた後、一段と表情を
明るくする彼女
そんなに安室くんの作った
サンドウィッチが食べたいのかと
沸々と湧き上がる苛立ちを隠し込んだ
沖「ちゃんと、子供のフリをして下さいね」
『よっしゃー!任せろいっ』
張り切る彼女に
もう一つ忠告を入れる
沖「あと、名前を聞かれたら
沖矢名前と名乗って下さい
私の親戚設定を突き通して下さいね」
と。
彼女は元気よく返事をした
だが直ぐに表情を曇らせ
悩んだかと思えば頬を赤らめ
服の裾を掴まれた
『…す、昴お兄ちゃん…』
可愛い。
親戚設定と言う事だから
苗字呼びはおかしいと気付いて
必死に絞り出したのだろう
もう一度言うが可愛い。
沖「はい、どうしましたか?」
平静を装って聞くと
恥ずかしそうにもじもじさせながら
彼女は小さな声で
…呼びづらい、と言ってきた
そんな彼女を甘やかしたくなり
沖「上手に出来たら
デザートのケーキ付きですよ」
と言えばまたぱぁっと
表情を明るくさせて
頑張るね、と張り切ってる様子で。
可愛くて触れたくて
頭を撫でてみたが
今回は怒られなかった
支度を済ませて
彼女の小さな手を引き
ポアロへと向かった
カランコロン…と
ドアベルが響き店内へ入ると
様子に気付いた店員、
安室くんが声を掛けてくる
安「いらっしゃいませ
おや…貴方はこないだの…」
沖「こんにちは、先日はどうも」
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