第15章 赤井side1
俺は彼女に近付き
その体を抱き上げた
肌に伝わる体温を感じ
彼女が生きていると実感する
沖「探しましたよ」
『め…メガネ…!』
直ぐにボウヤに連絡を入れて
工藤邸で落ち合う約束をした
小さくなった彼女を
抱き抱えての帰り道
組織への怒りと
己に対する怒りとで
どうにかなりそうだったが
それを抑えて沖矢昴に成り切る
彼女を巻き込んでしまったのは
己の失態。
完全に浮ついていたのだろう
工藤邸に着くと
ボウヤは先に着いていて
彼女の怪我の手当てをしながら
何があったのか詳しく事情を聞く。
どうやらジンとウォッカに
接触したらしい
俺は彼女にここに住むように
提案した。
なりふり構ってなんか
いられなかった
俺の側に居てくれれば
守ってやれる
ボウヤを車で送る間
彼女には外には出ず家で
留守番する様、強く言った
助手席にボウヤを乗せ
車を走らせる
コ「赤井さん、これからどうするの」
俺は変声機のボタンを切った
赤「彼女を巻き込んでしまったのは
俺の責任でもある
心配するなボウヤ
彼女は俺が必ず守ると約束しよう」
コ「うん…変装の事はどうするの?」
赤「暫くは様子を見て上手く隠そう
もし正体を知られそうになれば
また連絡をする」
コ「わかった」
ボウヤを毛利探偵事務所へ送り
帰宅するとリビングには
明かりが付いたままだが
やけに静かで
ソファーに目を移すと
すやすやと寝息を立てながら
眠っている彼女の姿
色々あって疲れたのだろう
起こさない様に
そっと抱き上げ
彼女の使っている部屋に運ぶ
ベッドに寝かせ
彼女の寝顔を見ていると
愛おしさが溢れた
同時に守ってやるからな。
そう強く誓い
額にそっとキスを落とした
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