第12章 赤井さんのこと※
赤井さんはずっと大きな手で
頭を撫でてくれたままで。
少し照れ臭い
意地悪してきたかと思うと
急に優しくなったり
どうしていいのか分からなくなる
赤「取り敢えず、今後の事は
熱が下がってから話そうか」
今後の事…
それは安室さんの対処の仕方だろう
安室さん…
この2人はただのケーキの取り合いで
喧嘩しただけじゃないのかな
安室さんも組織と
関わりがあるのかな
赤「安室くんの事、知りたそうだな」
『な、何でわかったのっ
…て、そりゃFBIなら
観察力にも長けているか…』
赤井さんはにやりと笑った
赤「名前は分かりやすい顔をする。
表情が豊かでいい事だ
安室くんの事も熱が下がってから
教えてやるからまずは体調を整えなさい」
『…うん』
私は思っていたよりも
危険な事に足を突っ込んでいたんだと
実感した。
パパとママに会いたい。
そう思うと胸がいっぱいになった。
熱で弱っているせいか
目が熱くなる
赤「どうした、泣いているのか」
『…え?』
気付いたら涙が頬を伝っていた
赤井さんは頭を撫でていた手を止めて
頬に手を添えると親指で涙を拭ってくれる
赤「不安か?」
そうだ、私はこの先が
不安で仕方ないんだ
『赤井さんっ…わたし…
元の姿に戻れなかったらどうしようっ
パパとママに会いたいっ…』
赤「大丈夫だ、寂しい気持ちは
俺が埋めてやる…
それに元の姿に戻れなかったら俺も困る」
『…なんで赤井さんが困るの…?』
頭にクエスチョンマークを浮かべながら
赤井さんの顔を見上げると
ふわりと顔が近付いて来て
耳元に唇を寄せられる
赤「子供の姿のままだと
セックスできないだろう?」
と小声で言われた
いくら男性経験が無いと言っても
その意味が何なのか私でもわかる
『あああ、赤井さんのえっち!!
もう寝る!赤井さんは
違う部屋で寝てよね!』
私は頭の上まで掛け布団を被り
ぎゅっと目を瞑った
赤井さんの匂いが染み付いたベッド。
心臓がやけに煩くて中々寝付けなかった
ただ意識を飛ばすまで
赤井さんが側に居てくれたのは確かだ。
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