第11章 同一人物
押しても退いてくれる様子は無く
『私、まだ赤井さんの事
怒ってるんだからね!』
再びチョーカーのボタンを押した後
頬からべりべりと皮膚をめくり出した
『ちょ、ちょ!まって!え、こわ!
え、えーー!?えぇー!!』
皮膚みたいなものをめくると
中から赤井さんが出てきた
いやいやいや…
こわすぎでしょ…!
赤「俺も相当怒っているんだが?
聞かせて貰おうか、
楽しい楽しい家出話をな」
赤井さんは私の顔の横に
両手を置いて逃げられなくしてきた
背中に嫌な汗をかく
赤「一から全部、詳しく話して貰おうか
安室くんとした内緒話も含めて」
『あ、あれは安室さんが
意味深な事を言っただけで…
私は別に何も内緒話なんかしてないもん!』
赤「ホォー…いいのか?
名前が今置かれている状況を考えろ
…あの先をしてやってもいいんだが?」
耳に顔を近付けられて
べろりと生暖かくて柔らかい感触と
同時にくすぐったさが私を襲った
その後すぐに安室さんが
この先は何もされていないのかと
聞いてきた言葉を思い出した
…こわい…
『やっ…はなしてっ…!』
小さな体で抵抗しても
効いてる様子は無かった
赤「もう沖矢の助けは無い
正直に話すなら今は何もしないでいてやる」
今は…って
いつかやる気だな!!
もう怒った!
前から怒ってるけど!
『絶対話さないもん!
赤井さんなんか嫌い!!』
赤「ホォー…いい度胸だ」
赤井さんは片手で私の顎を固定すると
唇を奪った
『…んっ…んんっ…!』
ぬるりと舌が入ってきて
口内を荒らす
息が出来無くて
苦しくて赤井さんの服を握った
涙が頬を伝う
熱がまた上がった気がして
頭がぼーっとする
唇が離れると
めいいっぱい酸素を吸い込んだ
赤「話す気になったか?」
そう言いながら
指先で涙を拭いてくれる
その手首を掴み
口元へ指先を持っていくと
かぶっと指を噛んでやった
赤「…っ…やってくれるじゃないか」
何が何でも抵抗してやるんだから!
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