第10章 イケメンの看病代
安「気持ち良いんですか?」
低く、耳元で囁かれる
さっきから安室さんの様子が変だ
怖い…
私はぎゅっと安室さんの服を掴んで
手を止めてくれるまで
その刺激に耐えるしか無かった
熱のせいなのか
安室さんのせいなのか
頭がぼーっとする
『…ぁ、…ぁむろさっ…んっ…』
気持ちいい…
頭がおかしくなる
そこまで登り詰めていた快楽が
ぴたっと止むと
むぎゅっと苦しいくらいに抱き締められた
『…あむろさん…?』
安「赤井にこの先は
何もされてないんですか?」
ふぇ…?
この先って何…?
これに続きがあるの?
私は訳の分からない質問に
黙っていた
安「何も無い様ですね」
何かあるんですかー!
アダルティな皆さん!
教えてくれー!
安「さて、そろそろ
君のことを教えてくれるかな?」
『えっ?』
ど、どうしよう!
何を教えるか決めてなかった!
でも安室さんは元気になったらと
言っていた!
私はまだ完全復活を遂げていない!
『ま、まだ元気になってないもん!』
さっき大丈夫って言ったけど!
安「ふっ…まぁ、良いですよ
元気になったら
ポアロに遊びに来て下さいね
ケーキをご馳走してあげますから」
『やったー!』
ケーキ大好き!
安「さて、名前ちゃんは
あの家に帰りたいかい?」
『…うん』
赤井さんは気まずい…
沖矢さんは良い人
私は2人の関係性が気になる。
同一人物か確かめないといけない
『帰るよ、あの家に』
安「そうですか
僕としては帰したくありませんが
僕に君を引き取る資格は無い
ですが、また何かされたら
僕に連絡を下さい」
そう言われて安室さんと
連絡先を交換した
それから持って来た服に着替えて
安室さんの車に乗り込んだ
車が発進する
安「そういえば…
何故、君が名前さんの
家族写真を持っていたのかな?」
……え?
私は瞬時にリュックの中の
私とパパとママと撮った写真を
思い出した
リュックの中見たの…?
『あああ、安室さんのえっち!
レディの荷物覗くなんてさいてーよ!』
私はむすっと窓の外を見た
赤い夕日がこんにちわーって
言っている気がした
.