第8章 だいっきらい※
瞬間、バッと腕を掴まれた
『うわぁっ!』
赤「イタズラとは関心しないな」
『お、起きてたの…?』
赤井さんは私の手の中の
ペンを取り上げた
ぐいっと腕を引っ張られて
そのまま赤井さんに抱き寄せられる形で
膝の上に乗せられた
赤「先程まで寝ていたが
君が入って来るときに目が覚めた」
『寝たフリしていたのか!悪い大人だ!』
赤井さんは私の反対の
手の中にあったキャップを
取り上げるとペンにキャップをし、
ペン立てに戻した
赤「俺は悪い大人だからな」
赤井さんはニヤリと口角を上げた
くっそー、仕返し出来なかった!
『これでもくらえー!
スペシャルパーンチ!』
私は赤井さんに握られていない方の
手で拳を作り
赤井さんの胸板目掛けてパンチをした
が、それも阻止された
ちくしょう!
両手首を掴まれて何も
出来なくなってしまったではないか!
赤「ごめんなさいは?」
『ぜぇーったい言わない!
最初に意地悪したの赤井さんだもん!』
赤「ホォー…」
赤井さんは掴んだ両手首を
私の背中に回すと
片手で拘束した
『はーなーしーてっ!』
赤「ふっ…今謝れば許してやるが?」
『先に謝るのは赤井さんなんだから!』
赤井さんは空いてる片手で
私の顔を摘んだ
両頬をむぎゅっと押されて
唇がタコさんになっている私の
今の顔はブサイクだろう
赤「少々躾が足りないようだ」
そう言うと赤井さんは
顔を近付け私の唇をパクっと食べた
『…んむっ…!』
唇をべろりと舐められ
思わずぎゅっと目を瞑った
口内に舌が侵入して
探るように舌が動き回る
『…んっ…ふっ…』
舌を絡め取られて
唾液が唇の隙間から溢れる
上手く息が出来なくて
苦しくて涙が頬を伝った
ゆっくりと唇が離れると
必死に肺に酸素を取り込んだ
赤井さんは手を解放してくれる
『…はぁ、はぁ…赤井さんなんか…
…だいっきらい!』
私は膝の上から飛び降りて
走って書斎を出た
自分の部屋に戻り
誰も入れないように
扉に鍵を掛けた
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