第5章 喧嘩の理由
沖「呉々も危険には注意して下さいね」
『はーいっ』
沖「さて、もう寝る時間ですよ」
『まだ眠く無いもん』
沖「良い子は寝ましょうね」
と、抱き上げられた
『ちょ…!こらー!降ろせー!』
そのまま私が使ってる部屋に
強制連行されてベッドの上に降ろされた
ゆっくりと体を押し倒されて
間近に沖矢さんの顔が…
『お…沖矢さんっ…近いっ…』
沖「ちゃんと寝ますか?」
ぐいっと額が当たる距離まで
顔を近付けられた
『寝ます!…寝ますからっ!
そのっ…顔…近付けないでっ…!』
私は小さな手のひらで
沖矢さんの顔を覆った
すると、沖矢さんは
顔を離してくれる
沖「ちゃんと眠るまで
見張っていますからね?」
沖矢さんはベッドに腰掛けて
ずっと私の頭をなでなでしてくれた
スキンシップが激しいんじゃ…っ
私は顔に灯る熱を感じながら
目をぎゅっと閉じて
無理矢理寝る努力をした
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ふと、目を開けるとまだ深夜帯で…
あ、これはまた赤井さんの夢だと
思いベッドを抜けて
パタパタと書斎に向かった
書斎は案の定、明かりが点いていて
扉をゆっくり開ける
『赤井さーん』
沖「おや、目が覚めたんですか?」
私は目をこすって
もう一度前を見ると
赤井さんの姿は無くて…
そこには沖矢さんが居た
『あれ…?沖矢さん…?
私、今起きてるの…?』
沖「ふふっ…
何寝ぼけているんですか?」
沖矢さんは私の側まで寄ると
ふわりと抱き上げた
『ん…沖矢さん、赤井さんは?』
沖「また夢に出てきたんです?」
私を抱き上げたまま
沖矢さんは書斎の外に出る
『ううん…今日はまだ会えてないの』
沖「それは残念ですね」
『うん…安室さんと
仲直り出来るように
お手伝いしないといけないのに…』
沖「じゃあ、もう一度眠って
夢に出て来てもらいましょうね?」
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