第3章 夢の中の住人A
沖矢さんが作ってくれた朝食を
食べながら昨夜の事を思い出した
『沖矢さん、聞いてくださいよー!』
沖「どうしたんですか?」
『まーた夢に奴が出て来たんです!』
沖「ホォー…それで?」
『うーん…2日連続夢に出現するとは…
…はっ…まさか!』
沖「まさか?」
『きっと私の事大好きなんだな!』
そう言えば、沖矢さんは
ククっと喉の奥で笑っていた
なーにが可笑しいんだ!
2日連続も夢に出て来たんだから
私の事大好きなんだろーが!
私はむすっとしながら
沖矢さんを眺めた
沖「ふふっ…私も好きですよ
その明るい性格が…」
ふわりと微笑まれて
胸がドクドクと痛い…
『……胸が痛いです…』
沖「大丈夫ですか…!」
『沖矢さんが…眩しい…』
沖「何言ってるんですか
しっかりしてください
はい、お水飲んで…」
沖矢さんはコップにお水を
入れてくれてそれを渡してきた
『ありがとうございますっ』
ゴクゴクとお水を飲み干せば
少し落ち着いて胸の痛みも和らいだ
あの眩しさは殺傷能力があるな…
気を付けなければ…
朝食も済ませて
片付けも終えると
沖矢さんにリビングに呼ばれて
隣同士に座りながら
コーヒーを飲む
沖「今後の事ですが
まずはその体が小さくなった事は
隠しておいた方がいいでしょう」
『はい!沖矢先生!それは
どうしてですか?』
私は右手を上げながら質問した
沖「奴らは貴女を殺すつもりでいた…
もし貴女が生きていると知れば
また殺しに来るかも知れない…」
『ふむ…なるほど!』
てゆうか、何で沖矢さん
私が小さくなっても冷静なんだろう
普通有り得ないよね?
何か知っているのか…!
そうなのか…!
本当はただの大学院生じゃなくて
……スパイなのか…!
私はうーん、と頭を悩ませた
結論、本人に聞く事にした
『はい!沖矢先生!質問です!』
先程と同様、右手を上げながら
口を開いた
沖「どうぞ」
『沖矢先生は実は大学院生じゃなくて
悪い奴らを捕まえる為に
スパイとしてこの町に来たんですか!』
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