第1章 プロローグ
王国に帰ってきたマッドネスは父である国王に
ランプを見つけたことを報告した
「言い伝えによると、願いを叶えるには
ランプを擦れば良いらしい」
それを聞いたマッドネスは美しく銀色に輝くランプを擦った
するとランプから煙が出てきた
煙が晴れるとそこには美丈夫が空中に凛として浮かんでいた
"よくぞ我を探し出した。何でも願いを叶えてやろう"
「で、では、この国を!
我が王国を民達が暮らしやすい
自然豊かな国にしていただきたい!!?」
"いいだろうその願い叶えてやろう"
次の瞬間回りの空気が変わった
今まで突き刺すような日差しが
ポカポカと穏やかな日差しに
砂漠と化していた大地には
色とりどりの草花が咲き
小川まで出来澄んだ水が流れていた
民達は歓喜し小さな王国デシエルトで祝賀会が行われた
程なくしてこの国を離れ
避難していた民達が続々と戻ってきた
隣国までの道が砂ではなく土になったことで
今まで困難だった貿易も行われた
小さかった王国デシエルトはあっという間に
大きな王国へと変わっていった
ランプを探し出したマッドネスは国王となり
国を発展させていった
そして国王は美しい異国の姫を王妃に迎え
幸せに暮らしましたとさ
と、表向きにはめでたしめでたしのハッピーエンド
だか、このお話には続きがあった・・・・・・・
最初は民を思い民達の為に使っていた願い
いつしかマッドネスは自分の私利私欲のためだけに願う様になった
国王となったマッドネスが娶った美しい異国の姫
名はクラーロ・デ・ラ・ルーナ
"私は私だけの姫が欲しい。私だけの唯一無二の姫が"
何でも願いが叶うのならとランプの精に願い
本人の同意無く異世界から召還し王妃として娶ったのだった