第4章 黒い宝石
「テリオス!そのランプを放せ!!!」
愛おしそうにランプを撫でいたと思ったら
急に瞳を閉じ動かなくなったテリオスの手から
シュヴァリエはランプを奪いさった
「テリオスっ正気に戻れ!」
「シュヴァリエ、クラーロを返せ」
「なにを言ってだ!クラーロって誰だ!!」
「初代国王マッドネス陛下の妃の様ですよ」
「ラフィネ、呑気に本なんか読んでる場合か!」
ラフィネはシュヴァリエが放り出した手記を読んでいた
「落ち着きなさいシヴァー
この手記によるとあなたが持っているランプには
クラーロ様が眠っているはずです
そしてそのランプにテリオスが反応するという事は・・・
ここまで言えばわかりますね」
「はぁっ!意味わかんねえよ」
「ああ私としたことが・・・あなたは脳筋でしたね
兎に角そのランプをテリオスに返して上げなさい」
しぶしぶランプをテリオスに差し出せば
大事そうに抱え込んだ
「クラーロ、お前を幸せにしてみせる
お願いだ姿を見せてくれ」
"いいだろうその願い叶えてやろう"
どこからともなく声が聞こえ
辺りに煙が立ち込める
やがて煙が晴れ美丈夫が空中に浮かんでいた
「「!!?」」
「久しぶりだなランプの精」
"貴様が改心をし生まれ変わるまで
1000年も待ったぞマッドネス"
「マッドネスではない、今はテリオス
テリオス・エクレール・デシエルトだ」
俺はテリオスとしての生まれ25年間過ごしてきた
マッドネスとしての記憶が甦ったとはいえマッドネスではない
「ランプの精よ
最後の願いだ俺にクラーロを返してくれ」
次の瞬間ランプから眩い光が宝物庫を照した
テリオスは腕に柔らかな感触が感じ微笑んだ
「「っ!!」」
テリオスの腕の中には
艶のある黒髪の美しい女性が収まっていた
「お帰りクラーロ」
瞳を閉じているレイの額に
テリオスはキスを落とした