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LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜

第5章 《白布》君にチョコを渡す方法



「白布。トスを上げてくれるか。」
「はい!!」

部活後。当たり前のように牛島さんに自主練を誘われ嬉しそうに返事をした賢二郎は、こちらにチラリと一瞬視線を飛ばすと、ふいっとすぐにコートの中に入っていった。

"先帰ってろ"

目が明らかにそう言っていた。

(どーせ私は2番目ですよー……)

一層の事バレンタインは本当に最中にしてやろうか…。可愛い包み紙を開けた瞬間に、眉間にしわを寄せる賢二郎がいとも簡単に脳裏に浮かぶ。平気で「お前馬鹿だろ。」とか言いそうだからもちろんその案は即却下だが。

ジャージから制服に着替え、スクールバッグを持って体育館を出る。体育館からは牛島さんの強烈なスパイクで床に叩きつけられるボールの音。牛島さんに嫉妬したところで、どうしようもないのは分かってるけど、やりきれない気持ちがため息と共に白い息になり、夜空に消えていった。

「おつかれー。」
「あ、川西。おつかれ。」
「お前ら今日は一緒に帰らないの?」
「お前ら、とは?」
「え……お前まさか隠してるつもり?」

後ろから声をかけられ振り向くと、クラスメイトでもある川西だった。流石に賢二郎とも仲がいい川西なら私たちの関係に気付いてもおかしくないが…。真剣に驚く表情を見るに、私も賢二郎も相当隠すのが下手らしい。

「な、何のことだか!」
「分かりやす…」

流れでなんとなく二人で横に並んで歩き出す。川西が横にいるのが何故だか落ち着かないのは、大部分が二人の関係を見抜かれているという新事実が明らかになったせいだけど、視線を合わせようとすると、見上げるほどに背が高いのがいつもと違うからというのもある。

(賢二郎ってそんな背高くないもんな…)

「誰にも言わないでよね…。賢二郎に怒られる。」
「それは別に良いけど。天童さんは気付いてるっぽいよ。」
「う゛…さすがゲスモンスター…」

だよなー!と隣で笑う川西の口からも白い息がふわりと出る。

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