第14章 《影山》いつでも君のそばに

今日はいつにも増してイライラする…


朝練終わりに教室へ向かう時から
貴重な休み時間も昼休みにも次々に
呼び出されチョコを渡される…

気づかないうちに机の中にも詰められていて
とにかくうんざりしていた…


でも…何よりも…
アイツが席に居ない事の方がイライラする

この二日…会話すらしてねえ…








「…これ全部チョコなのか？」

練習後、部室に置いていた大量のチョコを
見つけた日向が嬉しそうに聞いてくる


「あ゛？」

「そっそんなに怒る事じゃねえだろ」

ただ聞いただけじゃん…とブツブツ言う日向
するとそばから更にカチンとする一言が聞こえてくる


「欲しい子から貰えなくて八つ当たり…？
やめて欲しい…ホント迷惑」

ため息混じりに言うその顔がすげぇムカつく


「そんなんじゃねえ…」

「じゃあ何怒ってんの？
気になる子が誰かに渡してんの見たとか？」

今度は山口が聞いてくる


いや…見てねえ…
けど…気になってしょうがねえんだよ…

ムカつく位アイツの顔しか浮かんでこない…




「日向…それ全部やる…」

「…えっ…おい…影山…」

日向の言葉を無視して部室を飛び出す


もう遅いかも知んねえけど
けど俺は…