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LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜

第6章 《孤爪》LOVE!CHOCO!KISS!




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「け、研磨さん!!お疲れ様です!!!」

15日。つまりバレンタイン翌日の部活帰りの事だった。
支度を終え体育館を出て、校門の直ぐ近くにある自動販売機でコーンポタージュを買う。受け取り口にガタリと音を立てて落ちた缶を取り上げ顔を上げると、そこには研磨さんがいた。

「ちょっと。」

挨拶をして咄嗟にその場から逃げようとするが、研磨さんは私の左手を掴みそれを制止した。ヒンヤリと冷たい手が、私の掌の熱を奪っていく。

「な、何かご用ですか…?」
「……コレ。」

研磨さんが指さしたのは私の腕を掴んでいる自身の左手で、手首には私が貸したヘアゴムがあった。

「あぁ!ヘアゴム。貸したの忘れてましたよ!あははは!!」
「……俺は忘れてない。ホントは、昨日返そうかと思ってた。」
「昨日…」

私だって、忘れるわけがない。あの日ほんの少しだけど味わってしまったあの甘い雰囲気に、私は溶かされるどころか、押し潰されそうになっていたくらいなんだから。
そのせいで、私は昨日研磨さんにチョコを渡せなかったのだ。もう会えなくなってしまうなら、一か八かの勝負をするよりこのままでいいと思ってしまったからーー。おまけにあのおみくじの結果だ。

「あのさ。ホントだったら昨日言おうと思ったけど…。俺、ナギの事好きだから。」
「…………?」

突然の言葉に頭が追いつかない。

「ナギは俺にチョコくれると思ったけど、違った?」

ドクンドクンと喉の奥の方に自分の鼓動が響く。
研磨さんが、私を……?

「いや、あのそれは…」

咄嗟に肩に掛けていたスクールバッグを抱きしめると、私を見つめていた研磨さんの視線が一瞬にしてそっちに移った。バッグの中には、昨日渡しそびれたチョコがそのまま入っている。

二つの黄色い瞳にじっと見つめられ、まさか研磨さん相手に誤魔化せるわけもないと観念して、私はスクールバッグのファスナーを開けた。

(あ゛ぁぁぁぁ!!頑張って昨日渡せばよかった!!一日遅れだなんて、こんな間抜けな告白ある?)

「あの、本当は昨日…渡そうとしてましたごめんなさい!!!!」


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