LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜
第6章 《孤爪》LOVE!CHOCO!KISS!
「…あの。私、結びましょうか?」
研磨さんは少し驚いた顔をしたように見えた。
「…じゃあよろしく。」
私は差し出されたゴムを受け取り、腰を上げて研磨さんの後ろに回った。
(どうしよ!わたし、なんでこんなこと言った!?研磨さんの髪、触ってる!!ドキドキしてるのバレてるよね!?でも、髪って神経ないし、バレない!?大丈夫!?)
ほんの数十秒なのに、なんだか彼女になった気分になって、胸が高鳴るのと同じくらい、キュンと締め付けられた。やっぱり好きだな…。何が理由なのかわからないけど、そう実感した。
「出来ましたよ!」
「ありがと。」
研磨さんのビー玉みたいな綺麗な目が、ジッと私を見つめた。
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「そーいや、明日バレンタインだなー。」
人のベッドに寝転んだ幼馴染は、10年前とも15年前とも変わらないテンションでそう言った。いい加減、クロが俺のベッドを占拠する姿には見慣れたけど、流石にワイシャツ姿というのはいまだに見慣れない。幼馴染のクロは一足先に社会人になっていた。